勘定科目:小口現金とは?

 

小口現金とは日常業務で発生する小規模かつ頻繁な経費の支払いのために用意された現金のことを指します。

 

一般的には経理部の人間が個別の社員に手渡しするお金の事を指しており、個別の社員がそれぞれ何らかの経費を支払う時に備えて渡される規模の小さなお金とされています。

具体的には、交通費文房具の代金・インク代・日々の交通費といった、経理部の人間で細々担当するにはあまりにも煩雑すぎるようなお金としてよく使われる勘定科目です。

実質的に現金・現金同等物と同じような扱いを受けます。

 

どんなものが小口現金の適用になるか

 

  • 定額資金前渡制度
  • 不定額資金前渡制度
  • 小口経費

 

小口現金の用語集

小口現金を管理する「小口現金出納表」

 

小口現金の管理には小口現金出納表というものが使われます。

これは小口現金を利用して行われた様々な支払いに対する内容を記帳して小口現金の保証や支払いを明確にするための帳簿です。

 

小口現金の仕組み「定額資金前渡制度」

 

定額資金前渡し制度とは小口現金の処理でよく使われる仕組みのことを指しています。

小口現金は当座預金などから直接的にそれぞれの社員に小口現金として渡されるのではなくて、まず小口現金としてまとまったお金を管理係に渡してから各自に小口現金として渡すというやり方が一般的です。

小口現金係はそれぞれの社員が使った小口現金のお金を小口現金出納表に記して、それを会計係に渡すというのが一般的な流れとなっています。

 

定額資金前渡し制度の強みは社員に自腹を切らせてしまうようなことをさせずに済むという点です。

弱点はお金の管理という煩雑な手続きを増やすことになるため、仕事が増えてしまうことです。 この管理の煩雑さから小口現金制度を廃止しようと考える組織は数多くあります。

 

小口現金の仕分け例

 

①当座預金から1000円を引き出し、小口現金に1000円ぶん充填する

借方 貸方
小口現金 1000 当座預金 1000

 

②小口現金を用いて、交際費と旅費交通費と消耗品費を支払う

借方 貸方
交際費 500 小口現金 1500
旅費交通費 500
消耗品 500

 

貸借対照表/損益計算書での表記

この勘定科目は「貸借対照表」の「資産」に属します。

 

消費税の税区分

「不課税」…そもそも課税されない取引です